卒論内容



 本年度の卒業研究の内容は追って記載します。 過去担当した卒業研究の内容は、下記の通りです。
 

1992年度 菊池陽子 「エジプト分数の問題について」
       分数を単位分数の和として表すといういわゆるエジプト分数の問題について、リンドパピュルスの表の 現代的な解釈を行った。また結果をまとめて、Math. Japonicaに発表した。

1995年度 植田紀子 「Collatazの予想の変形について」
       角谷ーCollatazの予想を一般化して、計算機で予想が正しいと考えられるかどうかについてプログラムを作り数値実験を行った。

1995年度 高橋弥生 「カーマイケルの予想の精密化について」
       オイラー関数に関するカーマイケル予想について計算機でプログラムを作成して数値実験で検証してみた。また精密化したCollatazの予想について理論的な考察も行った。

1995年度 田中久美 「素因数分解法について」
       いくつかの素因数分解の方法について学び、実際に素因数分解を実行する楕円曲線法のプログラムを作成した。

1996年度 嶌田真紀、土屋美香 「フィボナッチ数列の周期について」
       自然数 m を法としたときのフィボナッチ数列の周期について、中原氏によって得られた結果を拡張した予想を立て、素因数が小さい場合特別な場合には、証明した。

1997年度 岡本正史 「Bachetの型の楕円曲線について」
       y^2=x^3+kの形の楕円曲線の有理点の群構造について基本的なことを学び、k=1,-432という特殊な場合について考察した。

1997年度 蒔田弥生 「2次体の整数環のユークリッドアルゴリズムについて」
       虚2次体の整数環の理論を学び、その応用として、ノルムユークリッド環であるものを幾何的に決定する方法について考察した。

1998年度 須藤晃盛 「x^2+ny^2の形の素数について」
       n=3以下の場合は、平方剰余の定理で完全に分類できるが、n=5の時は、2次形式の分類が必要となることについて考察した。

1998年度 玉井智子 「類数が2で割られることのLandau流の証明について」
       簡約2次形式の理論の応用として、判別式が-4n(n=1,2,3,4,7以外)なら類数が2となることを簡約2時形式が2つずつ ペアになるという視点から新証明を与えた。       

2002年度 桑原洋二  「RSA 暗号について」
       公開鍵暗号系の古典である RSA 暗号の理論的な根拠と素因数分解法の1つである2次ふるい法の実装について考察した。

2002年度 大池隆司 「圧縮関数とハッシュ関数について」
       古典暗号と公開鍵暗号に使われる数学的な理論を学んだ上で、電子署名で重要な役割を果たすハッシュ関数の仕組みと算術的圧縮関数について学んだ。またハッシュ関数 MD4,MD5の仕組みについても研究した。

2002年度 高見清   「デジタル署名について」
        暗号の理論の基礎を学んだ上で、電子署名についてさらに学習した。RSA署名およびElgamal署名の仕組みと実際の署名の仕組み、中でもメール等で実装されているPGPについて研究した。

2004年度 井出幸二  「カーマイケル数について」
        確率的素数判定の障害として注目されているカーマイケル数の基本的な性質について調べ、3つの素数の積になるタイプのカーマイケル数 を下から数え上げるプログラムを作り、3pqの型のカーマイケル数は、3x11x17に限ること等を証明した。

2004年度 盛三希子  「完全直方体の問題」
        著名な未解決問題であるすべての辺と面対角線および立体の対角線が整数である直方体の構成について考察した。 特に立体の対角線以外の長さはすべて整数である準完全有理直方体が無限にあることについて考察した。

2005年度 澤田愛美  「AKS素数判定法について」
        代数、暗号の理論の基礎を学んで、理論的に証明された初めての確定的素数判定法であるAKS素数判定法が、 本当に多項式時間であることの証明を学んだ。

2006年度 久保衛  「暗号と素数判定法」
        暗号の歴史から調べて、フェルマーテスト、オイラーテスト、ミラーテストの3つの確率的素数判定法について、 その理論的な根拠を理解し、オイラーテストをパスする 強カーマイケル数とでも呼ぶべき物は存在しないことの証明を学んだ。

2006年度 黒木新  「平方剰余の相互法則」
        整数論の基礎を学び、GaussやEisensteinによる平方剰余の相互法則のいくつかの証明を学んだ。また高木貞治による 相互法則の証明をもとに Gaussの補題、補充法則を全て幾何的に解釈した平易化を行った。

2006年度 藤井亮太 「フィボナッチ数列について」
        フィボナッチ数の由来や自然数界での現象などをはじめフィボナッチ数に関る性質を学んだ。応用としてフィボナッチ数、リュカ数の加法定理を学び Lucas自身が行ったフィボナッチ数の素因数分解の数表の再現を手計算で行った。

2007年度 河野裕太郎 「Gauss和について」
        代数体のガロア拡大についての基礎を学んだ。またKronecker-Weberの定理について、2次体がどのような円分体の部分体として実現されるかという 問題についてガウス和を使って書き下せることの証明を学んだ。

2007年度 薬師神晋  「行列式の起源について」
        行列式を最初に定式化したのは、1683年の関孝和の「解伏題之法」で西洋でのライプニッツでの書簡に10年程遡る。本研究で は、関全集を読解して、2つの連立多項式が共通解を持つための条件(すなわち終結式として)行列式の計算を行っていることを学んだ。

2008年度 土井拓也  「分割数について」
        与えられた自然数をいくつかの自然数の和に表す表し方の個数を分割数という。いくつかの条件を付けた2種類の分割の数が等しいことを分割恒等式 という。全単射法によるいくつかの分割恒等式の証明法について学んだ。

2008年度 中村隼人  「壁紙群と紋様について」
        平面を埋め尽くす繰り返し紋様について、その合同変換群は、17種類に分類できることを学び、着物の紋様や壁紙等の実際に使われているいくつか の紋様の変換群がどのタイプに分類されるかについて考察した。

2009年度 江川侑騎 「千日手とThue-Morse数列について」
        将棋などのボードゲームでの千日手のルールと以前のルールでは千日手とならないある無限手順の構成法について研究した。無限手順の構成にはThue-Morse数列 が非3連であることを用いるがその証明をR.G. Swanの論文を読んで学んだ。

2009年度 櫻井裕哉 「Frobenius数」
        数学のさまざまな場面で登場する線形不定方程式のうちFrobeniusの問題について研究した。n=2の時のFrobeniusu数の公式の拡張ユークリッド互助法を用いた証明 ならびに、n>2の場合のRodesethのアルゴリズムとその計算例について学んだ。

2009年度 炭谷のどか「Frobeniusの問題とタイリングについて」
        与えられた2つの異なる長方形のタイルを使ってタイリング可能な長方形の大きさに関して、2つの長方形の辺の長さにある条件を入れるとFrobeniusの線形不定方程式の 平面への拡張ができることを証明し、ある具体例でFrobeniusu数に対応する最大の正方形の大きさを決定した。

2009年度 坂本充  「連分数とPell方程式について」
        平方数で無い自然数の平方根の連分数展開の基本的な性質とその応用としてのPell方程式の整数解の構成法について学習した。またその応用例としてArchimedesの家畜問題 の解を得る手順について考察した。

2012年度 赤木谷大規  「素数定理の証明について」
        本人が元々興味のあった素数の分布について、Narkiewiczのテキストに基づき、もっとも納得のできた素数定理の証明として、池原によって改良されたいわゆるタウバー型定理の 証明をLandauの論文に沿って丁寧に考察しまとめた。

2012年度 西山拓志  「フィボナッチ三角形の図形的性質の考察」
        フィボナッチ数の性質の中で、逆数の逆正接関数に関する公式を2007年に神崎-石橋によって初めて定義されたフィボナッチ三角形を用いて図形的な証明を与えた。またリュカ数に関する類似 の性質もリュカ三角形という概念を導入して図形的な新しい証明を与えた。

2012年度 三好純平  「アルキメデスとフィボナッチの円周率の計算法」
        よく知られたアルキメデスによる円周率の計算方法を原点に沿って学び、同じく内接96角形と外接96角形の周長の計算により小数第3位まで計算したとされるフィボナッチの手法が、本質的に は、外接192角形の周長も用いて得られたものだという新しい知見を提言した。

2014年度 平間友介  「合同式と油分け算」
        塵劫記などで有名が「油分け算」の最小手順を求める手法を合同式を用いて求めた。また映画ダイハード3で扱われた「油分け算」の例も含めてより一般な場合を考察し中学や高校の授業の教材として扱えるように工夫した。

2014年度 貞野剛範  「1次不定方程式と油分け算」
        油分け算を、現在まで「東西数学物語」(平山諦著)のようにax+by=cの形の1次不定方程式として扱うのではなく、手順の回数との関係を明確にとらえる(a-b)X-bY=cの形の一次不定方程式の問題ととらえ直すことによって 手順の数を一般的に数える新しい見方を考察した。

2014年度 河野雄介  「フェルマーの二平方和定理」
        フェルマーの無限降下法を用いて、4を法として1余る素数は、2つの平方数の和として表されることを学んだ。また無限降下法自身が与えられた素数を2つの平方和として表す時の、各平方数の因子を求めるアルゴリズムであることを 示し具体的な計算例を用いて解説した。

2014年度 前嶋拓磨  「ラグランジュの四平方和定理」
        フェルマーの結果においては、4を法として3と合同な素数は決して平方数の和として表せないがその後、ラグランジュが、4つの平方数の和としてならすべての自然数を表す事が出来ることを示したことが知られている。 フルヴィッツによる四元数を用いた証明も参照してすべての自然数を4つの平方数の和として表すアルゴリズムをまとめて発表した。

2015年度 枝川真也  「あみだくじの原理について」
        あみだくじについて、1)どのような並べ替えも実現可能か?2)同じ並べ替えをする最小の横棒の数は何か?の基本的な疑問に対して、ワード表示によって1)の答え、2)は置換群の転倒数と一致することを示した。また最小な横棒 を実現するワード表示を与える「エリクソンのナンバーズゲーム」のアルゴリズムを紹介した。

2015年度 大谷洋太  「ピックの定理と平面充填形」
        ピックの定理を平行四辺形による平面充填形へのでの格子点を結んだ図形の問題に拡張した。また正6角形による平面重点系では、ピック型の定理が成り立たないことも示した。また 正方形による充填形での格子多角形でN倍への拡大をした時の多角形内部の格子点、周上の格子点またN^2で割った場合の極限についても考察をした。

2015年度 金本淳志  「ピックの定理と重積分の公式について」
        ピックの定理とその初等的証明を紹介した。また格子多角形が切り取る縦の線分の長さの総和は、台形公式を通して縦線領域での格子多角形の重積分となり、格子多角形が切り取る横の線分の長さの総和は、台形公式を通して横線領域での重積分と なり格子多角形の面積すなわちピックの定理と結果として一致する。特に縦横の辺が直角の辺を成す直角3角形場合は、重積分の公式とピックの定理が一致することの直接証明が得られた。

2015年度 西村恭史  「あみだくじと試験の採点方法」
        あみだくじの順序(ブリュワ順序)を用いて、恒等置換から順序を反転した置換までを順序が入る。与えられた事項を正しい順序に並べ替える問題において、良く使われている採点方法と、この順序によって正解からの距離を正確に測っ た場合を比較考察することにより、ブリュワ順序によって採点する手法により公平さがあるという新しい見解を展開した。

2016年度 久保智哉  「石取りゲームの基礎」
        石取りゲームについて、一山くずしから始めて、二山、三山と進んで、ニム和の導入を行った。またn山くずしまでの正規形のゲーム(最後に石を取った者が勝ち)についてニム和によって必勝判定ができることの証明を行い、具体的な数値例を用いて説明を行った。

2016年度 田中瑠郁  「石取りゲームの数理」
        ニム和について、グランディー数の概念を紹介し、最小除外数(MEX)の概念を導入してニム和についての再定義を行った。また2つの相異なるゲームの和の考え方を導入し、n山くずしについて一般化した証明ができることを示した。

2016年度 榎源太    「様々な石取りゲーム」
        石取りゲームの2つの拡張(簡易化されたニム、ポーカー・ニム)について、グランディー数の視点からは、通常のニムと同等なゲームであることを示した。また其々の応用として一見石取りゲームに見えないコインゲーム(ターニング・タートルズ、ノースコットのゲーム)が それぞ簡易化されたニム、ポーカー・ニムと同一視できることを示し、逆形のニムの必勝法についても紹介した。

2000年度 修士論文 玉井智子  「算術的同値な体の構成について」
          有理数体上で共役な2つの体は、多くの性質を共有しているが、その一つにデデキンドゼータ関数が一致することが上げられる。一般にゼータ関数が一致することと共役であることには、ガロア群の中で微妙な差が現れる。ここで算術的同値な体と言っているのは、デデキンドゼータ関数は、一致するが共役ではないような2つの体のことである。算術的同値な体のGassmann,Gerst 小松らの構成法は、砂田によって等スペクトルなりーマン多様体の構成に用いられている。それらで使われているのは、一対の算術的同値な体をガロア群の言葉に翻訳した上で、群論的に構成する手法である。この論文では、小松の手法を一般化して高い次数の対称群の中で良い性質を持つような部分群を豊富に構成することによって、任意の対の数の算術的同値な体が構成出来ることを示した。

2003年度 修士論文 安井宏晴  「テキストに冗長性を持たせたRSA署名とその強度について」
          RSA 署名への攻撃法の一つである積攻撃に対して、通常のようにハッシュ関数による防御ではなく、テキストに2重性という冗長性を持たせることによってどれくらい防御できるかということを考察した。全ての可能な組み合わせの中で、積攻撃が成功しない場合の比率で席攻撃に対する強度を計算することにした。当初は、強度について計算機で数値実験を行った。その結果を詳細に検討することにより、最終的に、その値は、ある群の構造に帰着することを発見し、その値が、オイラー関数、約数関数等の数論的関数を用いて表されることを示した。最終的には、強度は、これらの数論的関数の評価を用いた解析数論的な考察により行うことができた。

2004年度 修士論文 大池隆司  「RSA暗号の実装と確定的素数判定について」
          RSA 暗号をC++を用いて実装するプログラムを作った。特に素数判定の部分では、通常は、変換速度を早くするためにラビンーミラー法による確率的素数判定のみで素数と判定している部分を確定的素数判定で判定するプログラムを実装することにした。また採用する確定的素数判定法としては、P-1法、p+1法等の攻撃に対する強度を保障するために岡本栄司氏のテキスト「暗号理論入門」にあるフェルマーテストを変形した特殊な形の素数に対する確定的素数判定法を採用してプログラム化した。最終的には、多少時間はかかるものの1024ビットのnを発生して、動くプログラムを作成し、確定的に素数を発生するRSA暗号プログラムを実装した。

2008年度 修士論文 黒木新   「平方剰余の相互法則」
          黒木氏が卒論で扱った平方剰余の相互法則に関して、より深く研究を進めた。まず起源に当たるDiophantusの本へのFermatによる書き込みの意味の解読から始めて、Legendre、Gaussを経て久保田に至る様々な平方剰余の相互法則の証明について学び、ガウスの補題の系列の証明についてとくに詳しく学んだ。またJacobi記号の相互法則の新しい証明法として、Legendre記号についての高木の証明の類似であるガウスの補題系列に属する図形的な証明を与えた。さらに平方剰余の相互法則の知られている証明の系列による分類に関しても、Lemmermeyerが「Reciprocity Laws」で作成している分類表を基にいくつか補正を加えた年表を作成した。

2010年度 修士論文 土井拓也   「円に内接する多角形の合同類とその母関数について」
          G. E. Andrews の周長がnの三角形の合同類の数とその母関数に関する結果(Amer. Math. Monthly (1979))に示唆を受けて、与えられた円に内接するk多角形の合同類の数とその母関数について k=3,4,5 の場合にその合同類の数と母関数を求めた。またkが一般の場合には、多角形の分割合同との関係についても考察した。なお結果の一部を2009, 2010 のJ. Math. Tokushima University に2回に分けて発表した。 。

安井宏晴氏は、日本応用数理学会(JANT)第10回研究部会(2003 5/10 京都リサーチパーク)で「RSA署名とRedundancy」と題して上記の修士論文の内容の一部を報告しました。
   

黒木新氏の結果の一部については、研究集会 Number Theory in Saga 2009(2009 1/6 佐賀大学理工学部)で「Two Topics on Gauss's half system」と題して片山がその一部を報告しました。
 

研究室の卒業生 43名の就職先は、学部生41名は、大学院進学12名(うち大阪大学1名、鳴門教育大学4名、香川大学1名、徳島大学6名)、公務員 18名(うち12名は教員(徳島県、大阪府、兵庫県)、4名が徳島県庁、1名が吉野川市職員、1名(旧)郵政省職員)、予備校教師 4名、SE3名、一般企業4名です。院生6名は、高校教員4名(徳島県2名、鳥取県1名、山口県1名)(注:院中退者1名を含む)と予備校講師1名(四国進学会)ならびにSE1名(NTTデータ)です。
  


片山 真一へのメイルはこちらにお願いします。 katayama@ias.tokushima-u.ac.jp

 

 

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