講演者)杉野 隆三郎 氏 (阿南高専)

 

タイトル)CIP-Level Setによる移流場中の界面捕獲に関する数値的検証

 

概要)

Web技術の浸透により,観測や数値実験によるデータ解析のみならず,アニメーションやゲームなどのコンテンツ表現としても2D3Dの精密なCG表現の需要が高まってきており,レンダリングの前処理として形状の良質なサーフェースを生成するためにより高精度かつ低CPUコストな形状モデリング手法の開発が望まれている.

 近年,メッシュや分割曲面によるモデリングに代わってノイズやデータ欠損に強い陰関数曲面によるモデリングの研究が盛んになってきた.注目されているのが,符号付距離関数を用いたレベルセット法であるが曲面を表す陰関数の移流方程式を効率的に解く必要があり,プロファイルの保存性や距離関数の再初期化などに問題を抱

えている.

 そこで本研究では,移流方程式を高精度かつ低コストで解くことができるCIPスキームをレベルセット法に組み込む定式化を提案し,Rotating Profile問題をup-windスキーム,Lax-Wendorffスキームなどの他の数値計算手法と比較した.その結果,CIPスキームを用いたレベルセット法の数値精度が明らかになるとともに,最もコストがかかる距離関数の再初期化を実施しなくても,界面形状を精度よく保存することを示す.