平成27年2月1日
「平成26年度第2回徳島数学談話会(春の会)」を「日本オペレーションズ・リサーチ学会 中国・四国支部」と「徳島数学談話会」の共催で下記の要領で開催いたします。多数の方のご参加をお待ちしております。
開催日時 | 2015年2月12日(木) 14:00-16:45 |
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会場 | 徳島大学総合科学部1号館南棟2階数理科学コースセミナー室(2S24室) (住所: 〒770-8502 徳島市南常三島町1-1) 徳島大学常三島キャンパスマップ |
主催 |
・徳島数学談話会(連絡先は下記にあります) ・日本オペレーションズ・リサーチ学会 中国・四国支部 【日本オペレーションズ・リサーチ学会 中国・四国支部の担当の連絡先】 宇野 剛史 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部) TEL & FAX: 088-656-7294 (内線 3607) E-mail:uno.takeshi[atmark]tokushima-u.ac.jp (メールアドレス内の[atmark]を「@」に読み替えてください) |
講演 | 1) 14:00-14:30 住 彩花(徳島大学大学院総合科学教育部 地域科学専攻) 題目: 対称性を持つ幾何学的対象について 概要: SO(3)の有限部分群は良く知られているように巡回群, 二面体群, 四次交代群, 四次対称群, 五次交代群であるがこれらは対称性の強い幾何学的図形である正多面体と対応している. 一方その拡張概念であるCoxeter群はO(n)の鏡映で生成された有限部分群として定義されるが, 正多面体でなくルート系の間の変換群として捉えることが出来て, 一部のCoxeter群は高次元正多面体に対応するが大半はLie環のルート系の変換群に対応する. Coxeter群がLie環のルート系の変換群になる条件, 即ちWeyl群になる条件はcrystallographic条件と言う非常に有名な条件が存在する. しかしながら高次元正多面体の変換群になる条件はそこまで明示的には知られていない. それを受けて今回は高次元正多面体の変換群である様なCoxeter群の持つ性質について幾つかの一般的事実を述べることになる. |
2) 14:30-15:00 杉原 彩(徳島大学大学院総合科学教育部 地域科学専攻) 題目:パラメータ付きグレブナー基底を用いた幾何の定理機械発見 概要:パラメータ付きグレブナー基底を使い,初等幾何の配置条件を探す方法について述べると共に,具体的にプログラムにより幾何の定理を発見した例を述べる.パラメータ付きグレブナー基底は,グレブナー基底の性質毎にパラメータの条件をもつグレブナー基底である. 初等幾何の配置において``知りたい情報''をパラメータとし,設定した配置を数式にモデル化する. このモデル化した幾何配置の数式のパラメータ付きグレブナー基底を計算することによって,配置が成り立つ条件を自動的に得ることができる. この話は,パラメータ付きグレブナー基底の1つの応用である. | |
10分休憩 |
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3) 15:10-15:40 山田 紗希(徳島大学大学院総合科学教育部 地域科学専攻) 題目:複合エンターテインメントイベント「マチ★アソビ」に対する観光客の嗜好を反映した経路導出システムの構築 概要:本研究では,複合エンターテインメントイベント『マチ★アソビ』において,観光客の嗜好に応じてイベントを周遊できる経路を導出するシステムを提案する.屋外イベントおよびロープウェイでの移動が存在することから,天候によるイベント価値および混雑状況による移動時間の不確実性を考慮してモデル化する.さらに,当該ジャンルに詳しくない観光客でも経路を導出できるように,アンケートに答えることでイベントの選好を導出可能なニューラルネットワークを構築する. | |
4)15:40-16:10 郡 隆介(徳島大学大学院総合科学教育部 地域科学専攻) 題目:複数文字列における最大共通文字列抽出問題を解く並列プログラム開発 概要:複数の文字列が与えられ,それらの共通する文字列の中で長さが最大となる文字列を抽出する問題を考える.この問題は,NP困難であることが既に証明されている.そこで,ヒューリスティク解法と並列化を融合した手法を提案し,計算機実験を行い有効性を検証した. |
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5分休憩 |
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5)16:15-16:45 一ノ瀬元喜(阿南工業高等専門学校 創造技術工学科 情報コース) 題目:適応的長距離移動の協力進化への効果 概要:移動性はヒトや動物において基本的な形質である.協力進化における移動性の効果を調べた最近の研究により,空間構造の環境中での個体の適応的な移動が協力に有利に働くことが知られている.しかしながら,その移動は隣接する近傍だけに制限されており,長距離の移動の効果は考えられてこなかった.我々は,空間囚人のジレンマゲームのエージェントベースモデルを通して,この適応的な長距離移動の協力進化への効果を調べた.適応的長距離移動とは個体が非協力個体に囲まれているとき,遠くの場所へ移動できることを意味する.進化シミュレーションの結果,この適応的長距離移動は協力を強力に促進させることが分かった.特に非協力への誘惑が強い状況において,その結果は顕著だった.これらの知見は適応的長距離移動の協力進化への重要性を示している. |
ふるってのご参加をお待ちしております。
徳島数学談話会世話人